トルストイ少年少女読本[3] 子供の智恵 米川正夫 訳 河出書房
1946 昭和21年 トルストイの印度寓話10『一番おいしい梨』 一人の旦那が、一番おいしい梨を買ひに、下男を使ひにやりました。下男は店へ行つて、梨をくれと言ひました。商人が出してやりますと、下男はかう言ひま した。 『いや、一番おいしい梨をくれ。』 商人は言ひました。 『一つ味を利いてごらんなさい。さうしたら、おいしいといふ事が分かるから。』 『どうして、どうして。』と下男が言ひました。『たつた一つしか味を利かないのに、みんなおいしいといふ事が分かるものか?』 下男はどの梨もみんな少しづつ噛じつて、それを家へ持つて帰りました。すると旦那は屋敷を追ひ出してしまひました。 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1169127/11 露国民衆文学全書 第三編 ろしあ童話集 昇曙夢(のぼりしょうむ) 大倉書店 1919 大正8年 ろしあ童話集トルストイ物語10『一番美味しい梨』 春陽堂少年文庫 トルストイ童話集 昇曙夢(のぼりしょうむ) 1932 昭和7年 トルストイ童話集童話篇10『一番美味しい梨』 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168514/10 The Complete Works of Count Tolstoy Volume XII. Fables for Children 1869-1872 by Count Lev N. Tolstoy Translated from the Original Russian and edited by Leo Wiener Assistant Professor of Slavic Langauages at Harvard University Boston Dana Estes & Company Publishers II. ADAPTATIONS AND IMITATIONS OF HINDOO FABLES 10.THE BEST PEARS A master sent his Servant to buy the best-tasting pears. The Servant came to the shop and asked for pears. The dealer gave him some; but the Servant said: "No, give me the best!" The dealer said: "Try one; you will see that they taste good." "How shall I know," said the Servant, "that they all taste good, if I try one only?" He bit off a piece from each pear, and brought them to his master. Then his master sent him away. https://archive.org/stream/completeworksofc12tols?ui=embed#page/22/mode/2up 仏典 昭和新纂 国訳大蔵経 経典部 第二巻 東方書院 百喩経4.05(70)『嘗菴婆羅果喩』 菴婆羅果(あんばらくわ)を嘗(な)むるの喩(たとへ) 昔一(いち)長者有り、人を遣(つかは)し銭(ぜに)を持(ぢ)して他の園中(をんちう)に至り、嘗菴婆羅果(あんばらくわ)を買はしめて之を食(じ き)せんと欲す。之に勅(ちよく)して言はく、『好く甜美(かんみ)なる者を汝当(まさ)に買来るべし。』即便(すなはち)銭を持(ぢ)して往(ゆ)いて 其果(そのくわ)を買ふ。果主(くわしゆ)言はく、『我此樹果は悉く皆美好(みかう)、一(いつ)として悪しき者無し、汝一果を嘗めて以て之を知るに足ら ん。』果を買ふ者言はく、『我今当(まさ)に一一(いち/\)之を嘗(な)むべし、然る後当に取るべし。但一(ただいつ)のみを嘗めて何を以てか知るべ き。』尋(つ)いで即ち果を取り一一皆嘗め持ち来つて家に帰る。長者見已(みをは)るに悪しくして食せず、便(すなは)ち一切都(いつさいすべ)て棄 (す)つ。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1172018/164
世界文学大系 4 インド集 筑摩書房 カーター・サリット・サーガラ 愚者物語 岩本裕 訳 インド愚者物語29『果物の味をみた後に持参した男の話』 ト ルストイの印度寓話対照表 トルストイの アーズブカ対照表 トルストイの アリとハト対照表 |