2017年6月23日金曜日

トルストイの印度寓話 (トルストイのアーズブカ) 対照表

トルストイ 少年少女読本[3] 子供の智恵
米川正夫訳 河出書房 1946 昭和21年
  はしがき
トルストイが、一八七一年、自分の領地ヤースナヤ・ポリャーナに開いた学校の教授用として四巻の『アルファベット』を編纂したことは、『コーカサスの俘 虜』のはしがきで既に述べた。この教科書の中に含まれてゐる多くの物語が、純然たるトルストイの創作と、古くから知られてゐる物語を書き直したものと、こ の二種類に分けられる、と云ふことも同様に指摘しておいた。『寓話』はその後者に属するもので印度寓話と呼ばれてゐるが、中には出所を異にする話も混入し てゐるのではないかと想像される。例へば、『二人の百姓』に出て来る橇のごときは、印度の国土と結びつけて考へられないものである。兎に角、出典がどこに あるかは明らかでないが、従来のいはゆる寓話の型を離れた清新な感じを受ける。『水の精の真珠』とか、『なぜこの世に悪 があるか』と云つたやうな話は、その最も代表的なものであらう。
----- 省略

  昭和二十一年三月二十一日

米川正夫   
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1169127/4


略記号
Type: Aarne-Thompson Type Index
TMI: Aarne-Thompson Motif-Index
Pan: パンチャタントラ アジアの民話12 田中於莵弥・上村勝彦訳 大日本絵画
Hito:: ヒトーパデーシャ―処世の教え   ナーラーヤナ 著 金倉 圓照  北川 秀則 訳 岩波文庫
Kali: カリーラとディムナ  菊池淑子 訳 平凡社
Laf :  ラ・フォンテーヌ 寓話 今野一雄 訳 岩波文庫
Pe: Aesopica Ben Edwin Perry (1-725)
イソップ寓話集 中務哲郎 訳 岩波文庫 (1-471)

寓話

トルストイの印度寓話01『蛇の頭と尻尾』
トルストイのアーズブカ092『蛇の頭としっぽ』

TMI.J461.1.1
インド愚者物語43『二つの頭のある蛇の話』
百喩経03.13(54)『蛇頭尾共争在前喩』
雑譬喩経25『蛇頭尾共諍喩』
Laf07.16『ヘビの頭と尾』
Pe362(Ba134)『蛇の尻尾と体』
プルタルコス「アギス、クレオメネス伝」2
cf.Pe130『胃袋と足』/cf.Pe461『目と口』/cf.Pe321『川を渡る駱駝』/,cf.旧約聖書申命記28.43/cf.デカメロン 05.03

トルストイの印度寓話02『細い糸
トルストイのアーズブカ076『細い糸』

cf.Type1620, cf.TMI.J2312, cf.アンデルセン『王様の新衣裳』 cf.オイレンシュピーゲル27

トルストイの印度寓話03『遺産の 分配』
トルストイのアーズブカ083『遺産分け』

インド愚者物語32『遺産を等分した兄弟の話』
百喩経3.17(58)『二子財を分つの喩』
cf.Type51*** cf.TMI.K452. cf.Ernest Greset 355『訴訟する二匹の猫』 
cf.昔話インデックス563『猿の仲裁』 cf.Laf09.09『牡蠣と訴訟人』

トルストイの印度寓話04『猿』

Pan1.01『猿と楔』, Hito2.01『猿と楔』,kali01.02『猿と指物師』
cf.Pe203『猿と漁師』 cf.クルイロフ1.14『猿たち』 cf.Type38 cf.TMI.K1111

トルストイの印度寓話05『猿と豌 豆』
トルストイのアーズブカ080『おサルとえんどう豆』 

百喩経4.23(88)『 猴豆を把ふるの喩』
ジャータカ 176.『KALAYA-MUTTHI-JATAKA』
Kali07.2『人間と猿とレンズ豆』

トルストイの印度寓話06『牛乳』
トルストイのアーズブカ090『雌牛のお乳』

インド愚者物語11『乳搾りを倹約した男の話』
百喩経1.02『愚人牛乳を集むるの喩』
cf.Pe58『女と雌鶏』 cf.TMI.J1901.1 cf.昔話インデックス76『竜宮犬』, 257『母の猫』

トルストイの印度寓話07『鴨と月』

cf.百喩経3.19(60)『水底に金影を見るの喩』
cf.摩訶僧祇律7『猿猴取月』
cf.經律異相 第21卷 提婆達多昔為 猴取井中月9

トルストイの印度寓話08『埃だら けの狼』

cf.Pe155『狼と仔羊』 cf.Type111A cf.TMI.U31
トルストイの印度寓話09『倉の下 の鼠』

cf.トルストイのアリとハト1.12『太りすぎたネズミ』
cf.トルストイのアーズブカ016『よくばりなネズミ』
cf.Pe24『腹のふくれた狐』 cf.Type41* TMI.K1022.1
cf.Pe282『漁師と魚』 cf.Type253 TMI.L331

トルストイの印度寓話10『一番お いしい梨』

インド愚者物語29『果物の味をみた後に持参した男の話』
百喩経4.05(70)『菴婆羅果を嘗むるの喩』

トルストイの印度寓話11『鷹と 鶏』

Pe646『食用のオンドリとタカ』
Laf08.21『タカと食用鶏』
cf.Pe85『仔豚と羊』 cf.イソップ伝(G)48 cf.ギリシア奇談集10.05『イソップ寓話の野豚と僭主』
トルストイの印度寓話12『山犬と 象』

Hito1.5.1『象と狡猾な山犬』

トルストイの印度寓話13『鷺と魚 と蝦』

Type231, TMIJ657.3, TMIK815.1
Pan1.07『鷺と蟹(第六話の挿話)』
Kali01.05.1『鵜とざりがに』
Laf10.03『魚たちと鵜』
昔話インデックス542『蟹と鷺』

トルストイの印度寓話14『水の精 と真珠』

仏本行集経 巻の第三十一 昔与魔競品第三十四
cf.Pan1.12『水禽と海』 cf.Hito2.10『千鳥と海』 cf.Kali01.10『千鳥と海の代官』
cf.列子『愚公山を移す』

トルストイの印度寓話15『盲と牛乳』

大般涅槃經卷第十三 聖行品第第十九之下
寒山詩 89
cf.Ernest p273『カメレオン』

トルストイの印度寓話16『狼と弓』

Type180 TMI.J514.2
Pan2.03『猟師と猪と欲張りジャッカル』
Hito1.4『猟師と猪と欲張りなジャッカル』
Kali03.2.1『欲張りな狼の話』
Laf08.27『オオカミと狩人』

トルストイの印度寓話17『網の中の鳥』

Type233B TMI.K581.4.1
雑譬喩經26『捕鳥師喩』
衆經撰雜譬喩卷下(二四)
ジャータカ33
Pan2『鴉と鼠と亀と鹿』
Hito1『友を得る道』
Kali03『数珠かけ鳩とかもしかと烏とねずみと亀』
Laf12.15『カラスとカモシカとカメとネズミ』

トルストイの印度寓話18『王様と鷹』

Type916
千夜一夜物語2.1.1『シンディバッド王の鷹の話』
王と鷹(ジンギスカンと鷹)  Fifty Famous Stories Retold by  James Baldwin
Pan5.02『マングースを殺した女』
Hito4.7『ナクラを殺した婆羅門』
Kali06『信心家といたち』

トルストイの印度寓話19『王様と象』

群盲象を評す
Type1317
北本涅槃経 巻三二、
菩薩処胎経 巻三

トルストイの印度寓話20『なぜこの世に悪があるか』

僧伽羅刹所集経 巻上 (大正4,121c-122a)
法句譬喩経 巻3(大正4,595a-b)
ジャータカ五者布薩会本生

トルストイの印度寓話21『狼と猟師』

トルストイの印度寓話22『二人の百姓』
トルストイのアーズブカ070『ふたりのお百姓』

cf.Laf12.04『二匹の山羊』
Type202
TMI.W167.1

トルストイの印度寓話23『百姓と馬』
トルストイのアーズブカ079『お百姓と馬』

トルストイの印度寓話24『二匹の馬』

Type207A
トルストイのアリとハト1.01『おすうまとめすうま』
Pe279『山羊と驢馬』

トルストイの印度寓話25『斧と鋸』

cf.Pe316『ヘラクレスとアテナ』
クルイロフ6.06『アルカイオス』
旧約聖書箴言26.17

トルストイの印度寓話26『犬と料理人』

cf.Pe586『仔牛と鸛』

トルストイの印度寓話27『兎と猟犬』
cf.トルストイのアリとハト3.04『シカのおやこ』

トルストイの印度寓話28『楢と胡桃』

大智度論巻の二十七p202

トルストイの印度寓話29『親鶏と雛』

トルストイの印度寓話30『水雞とその雌』

cf.トルストイのアリとハト6.04『ウズラのおやこ』
cf.Pe325『雲雀と農夫』

トルストイの印度寓話31『牝牛と山羊』

cf.トルストイのアーズブカ115『オオカミとおばあさん』
cf.Pe158『狼と老婆』

トルストイの印度寓話32『狐の尻尾』

cf.ウィルソンリーダー 第二


トルストイの アーズブカ対照表
トルストイの アリとハト対照表